こんにちは。草太です。
本日は、土地の評価方法について、いろいろ調べたことをまとめたいと思います。
以前、全然売れない建売物件の記事を書きました。
気に入ったからといって、相場と合わない建物や土地を買ってしまうと、将来後悔することになりかねません。
何週間も対象の土地の価値方法を調べたおかげで、だいぶ土地の評価方法に詳しくなりました。
今回は私なりの土地評価方法をご紹介したいと思います。
公的な評価基準
その土地の価値を調べる一番の物差しは、公的機関の調査結果です。
以下は、公的機関が公表する「地価の指標」です。
(地点数は、2018年時点の数字です。)
公示地価 | 基準地価 | 路線価 | |
調査機関 | 国土交通省 | 都道府県 | 国税庁 |
調査地点数 | 約2万6千 | 約2万 | 約33万 |
調査時期 | 1月 | 7月 | 1月 |
活用例 | 土地取引 | 土地取引 | 相続・贈与税の算定 |
各機関の発表する地価は、それぞれで粒度や鮮度、情報量が異なります。
このため、基本的な調査方法は、まずそれぞれの方法で地価を計算してみて、より鮮度や情報量が多い方法を強く反映するように補正します。
公示地価と基準地価の調べ方
公示地価を調べるには、国土交通省の提供している「標準地・基準地検索システム」というものがあるので、これを使います。
実はこのシステムで基準地価も調べられるので、一石二鳥です。
土地の検索方法は簡単で、地図の対象地域をクリックしていくだけです。
市区町村まで選ぶと、上記のような検索画面がでてきます。
「対象」には「地価公示・都道府県地価調査の両方」を選びましょう。
あとは何も選ばずに、「検索」ボタンをクリックするだけです。
すると、上記のように土地の価格情報がたくさんでてきます。
「詳細を開く」をクリックして、詳細を見て見ましょう。
用途区分や道路、建ぺい率やインフラ情報がでてきます。
また、「地図で確認する」リンクをクリックすると、下記のように地図上で価格を確認することもできます。
たくさん情報がでてきますので、より探している土地に近く、鮮度がよく、広さなどの条件が似ている情報を探して見ましょう。
ぴったりの情報が見つかればラッキーですが、無い場合は、近くの情報を参考に、平均を取るなどして価格を決めます。
ここで出てくる価格は、1平方メートルあたりの価格です。坪数ではないので注意してください。
単純に、対象の土地の広さをかければ、取引目安となる土地の価格がわかります。
路線価の調べ方
路線価も同じように、国税庁が提供する「財産評価基準書」というwebのシステムを利用します。
このシステムも都道府県までは地図から選びます。
その後目次のページ移動するので、「路線価図」を選びましょう。
その後、対象の市区町村名を選択すると…
町名ごとに、地図番号のリンクがあります。
地図番号を見ても全くどこかわからないので、「この市区町村の索引図ページへ」クリックしてみます。
索引図から、見たい土地のブロックをクリックしましょう。
すると白地図のようなものが表示されます。
肝心の地価の見方ですが、上記地図を見ると、道路に「130D」などの数字があると思います。
これは、その道路に面した土地は、「1平方メートルの地価が、130,000円」という意味です。
数字の後ろにあるアルファベットは、借地権に関する区分なので、通常気にする必要はないです。
その他詳しい見方は、国税庁の説明ページをご覧ください。
最後に、路線価は実際の取引額と比べて低めにでる傾向があるため、表示されている地価を0.8で割って補正します。
上記の例ですと、130,000円が162,500円になります。
比べてみましょう
試しにこれまで出てきた千葉県松戸市の例で、それぞれの価格を比べてみましょう。
方法 | 地価単価(1m2あたり) | 更新日 |
都道府県地価調査 | 142,000円 | H29.7 |
国土交通省地価公示 | 145,000円 | H30.1 |
路線価(0.8補正後) | 125,000円 | H30.1 |
だいたい同じ金額になりました。
場所によっては、条件や鮮度の違いで、数値が20-40%くらい差が出ることも珍しくありません。
土地の条件による補正
それぞれの指標を参考に、地価単価を決めてると、面積と掛けて土地の値段が出ます。
この値段に対し、最後に「土地の条件による補正」をします。
条件とは、「南向きの土地は値段が上がる」などです。
以下のような内容があります。
条件 | 内容 | 補正方法 |
南に建物がない | 南が道路や公園など、日当たりを悪くするものがない | 10%アップ |
南に建物がある | 南に住宅などの建物がある | 5%ダウン |
角地 | 角地にある(道路2面に接している) | 10%アップ |
旗竿地 | 旗竿のように、細い道路を通った先に家がある | 10%ダウン |
突き当たり | 道路の突き当たりに家がある | 5%ダウン |
ごみ収集場所がある | ごみ収集場所に土地が接している | 10%ダウン |
訳あり物件 | 事故物件や、過去に水害があった地域 | 5%-25%ダウン |
修正方法に書かれている値は、あくまで目安です。
複数の条件に一致する場合は、単純な積み上げにはならない場合が多いようです。(適度に補正が必要)
実例
実際の例で確認してみましょう。
とある分譲地の例ですが、どの区画が一番単価が高いはわかりますか?
正解は…
正解は、右上の「5区画」になります。
旗竿地でもなく、角地のため評価が上がったことが理由です。
それぞれの区画の単価を見てみましょう。
旗竿地である2,3区画と、角地の5区画では、地価に1.7倍近くの差があります。
それ以外の区画は、どれも南に建物がある点、道路に面している点が同じなので、同じ地価になっているようです。
旗竿地でも別に気にならなければ、お得に土地を買うこともできますね。
まとめ
このように、公的なデータを使って、購入する土地の相場を評価してみましょう。
相場とかけ離れていたら、どんなに気に入った土地でも一旦その理由を考えることをオススメします。
そうすることで、その土地の意外な価値や欠点に気づくことができます。
また、相場とかけ離れた住宅を買って後悔することも防げるでしょう。